猫から見た人間は、ずっと落ち着きのない生き物だ
人間は、よく動く。
猫の目から見ると、 それはもう、落ち着きがないほどによく動く。
立ち上がったかと思えば、 何かを探し、 見つからないと独り言を言い、 また別の部屋へ行く。
猫からすれば、 「そこに座っていればいいのに」 と思う場面ばかりだ。
人間は、理由がないと座れない
猫は、理由なく座る。
理由なく眠り、 理由なく窓を見る。
しかし人間は違う。
休憩。 作業。 確認。 準備。
座るにも、何かしらの理由を必要とする。
猫から見ると、 人間は常に「次」を気にしている生き物だ。
今ここに座っているのに、 意識はすでに別の場所へ行っている。
人間は、猫の行動にすぐ意味をつけたがる
猫が棚の上に乗る。
人間は言う。
「高いところが好きなんだね」
猫が窓の外を見る。
「鳥がいるのかな?」
確かに、それは間違いではない。
でも猫からすると、 ただ「そうしたかった」だけのことも多い。
人間は、 すべてに理由をつけないと落ち着かない。
それは、少し不思議で、 少し面白い。
猫は、人間の声より「間」を聞いている
人間は、よく話す。
猫に向かって、 今日あったことを話し、 予定を話し、 愚痴まで話す。
猫は、その内容を理解しているわけではない。
でも、声の高さ、速さ、 そして話し終わった後の「間」を聞いている。
今日は余裕があるか。 今日は疲れているか。
猫は、言葉よりも、 人間の状態を見ている。
人間は、猫に「応えてほしがる」
撫でたら、 喉を鳴らしてほしい。
呼んだら、 来てほしい。
目が合ったら、 何か反応してほしい。
猫から見ると、 人間はとても正直だ。
「何も返ってこない」ことに、 すぐ不安になる。
猫は、 応えないことで拒絶しているわけではない。
ただ、今は応える必要がないだけだ。
それでも猫は、人間のそばにいる
落ち着きがなく、 意味を探し、 常に何かを気にしている生き物。
それが、人間だ。
それでも猫は、 人間のそばにいる。
完全に理解できなくても、 危険でなければ、 同じ空間で眠る。
猫にとっての「一緒にいる」は、 とても静かな選択だ。
猫は、人間を「変えよう」としない
猫は、 人間に期待しすぎない。
こうなってほしい、 ああしてほしい、 とは思わない。
ただ、 今の状態を受け取る。
疲れていれば、距離を取る。 余裕があれば、近づく。
猫は、 人間を矯正しない。
それは、人間関係において、 とても難しいことだ。
人間が静かになると、猫は近づく
何もしない時間。
スマホを見ない。 考え事をしない。
ただ、座っている時間。
猫は、そういうときに、 音もなく近づいてくる。
猫から見ると、 その瞬間の人間は、 少しだけ「猫に近い」。
猫は今日も、人間を観察している
人間は、猫を見ているつもりで、 実は、よく見られている。
どんな動きをするか。 どんな空気で部屋に入ってくるか。
猫は、評価しない。
ただ、判断する。
近くに行くか。 今日はやめておくか。
その繰り返しだ。
それでも一緒に暮らしている
理解し合っているわけではない。
でも、 同じ時間を過ごしている。
猫から見た人間は、 相変わらず落ち着きがない。
それでも、 この家にいる生き物として、 認識されている。
それで十分なのかもしれない。
今日も猫は、 少し離れた場所から、 人間を見ている。