多頭飼いに慣れている「つもり」だった私が、何度もつまずいた話
猫との暮らしが長くなると、「だいたい分かってきた」と思う瞬間があります。
ご飯のこと、体調のこと、甘え方の違い。
そして、新入り猫を迎えるときの段取りも。
我が家も、気がつけば多頭飼いが当たり前になっていました。
だからこそ、四ニャン坊たかんぼを迎えたとき、私はどこかで油断していたのだと思います。
「前も大丈夫だった」
「今回も、きっと時間が解決する」
そんな気持ちが、判断を少しずつ鈍らせていました。
四ニャン坊たかんぼを迎えたときの、最初のつまずき
たかんぼを迎えた当初、私は「慎重にやっているつもり」でした。
部屋は分けているし、無理に近づけてもいない。
ネットや本で見た「基本」は、頭に入っていたと思います。
それでも、実際に起きたのは、
先住猫たちの行動が、少しずつ変わっていくという現象でした。
クロは高い場所から降りてこなくなり、
さんたは物音に敏感になり、
チビは私の後を必要以上について回るようになりました。
当時の私は、それを「一時的なもの」だと判断しました。
新しい気配に戸惑っているだけ。
数日すれば落ち着くだろう、と。
「喧嘩していないから大丈夫」という思い込み
たかんぼと先住猫たちの間で、激しい喧嘩は起きませんでした。
シャーと威嚇することはあっても、取っ組み合いにはならない。
それを見て、私は安心してしまいました。
でも今思えば、それは「平和」ではなく、
お互いが距離を取りすぎていた状態だったのだと思います。
誰も傷つかない代わりに、
誰もリラックスできていない。
そんな空気が、家の中に長く漂っていました。
「早く慣れさせたい」という焦り
たかんぼにも、早く家に慣れてほしい。
ケージの中だけで過ごさせるのは、かわいそう。
そう思って、私は段階を少し飛ばしてしまいました。
結果として、
・先住猫は居場所を失ったように感じ
・たかんぼは空気を読みすぎて動けなくなる
誰のための判断だったのか、今なら分かります。
それは、猫のためではなく、
早く安心したい自分のためでした。
一度「やり直す」ことを選んだ日
決定的だったのは、クロの様子でした。
食欲はあるのに、表情が硬い。
呼んでも反応が鈍い。
そこでようやく、「これは様子見ではない」と気づきました。
私は、迎え入れを一度リセットするつもりで、
たかんぼとの距離を取り直しました。
ケージを使い、部屋を分け、
匂いだけを共有する時間に戻す。
進んだと思っていた時間を、少し巻き戻しました。
それは後退ではなく、
ようやく猫のペースに戻した瞬間だったと思います。
それでも、五ニャン娘みゃあのとき、同じことが起きた
たかんぼの経験があったから、
五ニャン娘みゃあを迎えるとき、私は「もう大丈夫」だと思っていました。
段取りも知っている。
失敗も経験した。
だから今回は、うまくやれるはずだ、と。
でも、現実はそう簡単ではありませんでした。
「前はこうだった」が通用しなかった理由
みゃあは、たかんぼとはまったく違うタイプでした。
慎重で、音や気配に敏感。
自分から前に出ることが少ない子です。
私は、たかんぼのときの経験をなぞるように進めました。
でも、それが逆に、みゃあには合っていなかったのだと思います。
距離の取り方、タイミング、空間の使い方。
どれも「正解」だと思っていたことが、
みゃあには負担になっていました。
「慣れてきたように見える」落とし穴
みゃあは、表立って拒否をしませんでした。
威嚇も少なく、逃げることも少ない。
それを見て、私はまた同じ勘違いをしました。
「順調そうだ」
「今回は、うまくいっている」
でも実際は、
我慢していただけだったのだと思います。
後になって、食欲のムラや、トイレの変化として現れました。
こうした判断ミスは、今回が初めてではありません。 四ニャン坊たかんぼを迎えた当初も、 「時間が解決してくれるはず」と考え、 結果として先住猫たちに余計な負担をかけてしまいました。
そのときの具体的な失敗や、当時の私たちの考えについては、 先住猫と新入り猫の距離を一気に縮めようとして失敗した話 で詳しく残しています。
また、五ニャン娘みゃあを迎えた際にも、 経験があるからこそ油断し、 同じような過ちを繰り返してしまいました。
「多頭飼いに慣れている=うまくいく」ではないと 痛感した出来事については、 新入り猫を迎えたとき、やってはいけなかった対応の記録 にまとめています。
二つの失敗から、共通して分かったこと
たかんぼとみゃあ。
性格も、反応も、状況も違います。
それでも、振り返ってみると、
私の失敗には共通点がありました。
- 「早く慣れてほしい」という焦り
- 「喧嘩していない=大丈夫」という思い込み
- 猫より先に、人が安心したがっていたこと
そしてもう一つ。
「一度進めたら、戻ってはいけない」と思い込んでいたことです。
道具は「解決」ではなく「保険」だった
この過程で、ケージや仕切り、フェロモン系の製品など、
いくつかの道具に助けられました。
ただ、それらは魔法の道具ではありませんでした。
状況を一変させるものでもありません。
でも、
「これ以上悪くならない」
「一度立ち止まれる」
という意味で、私を支えてくれました。
道具は、猫のためだけでなく、
人が冷静になるための保険だったのだと思います。
フードを変えなかったことだけは、正解だった
環境が不安定な時期、
せめてご飯だけでも良いものに、と考えました。
でも結果的に、フードを変えなかった判断は、
猫たちにとって良かったのだと思います。
変わらないものが一つある。
それだけで、猫は少し安心できるのだと、後から気づきました。
今、新入り猫との関係に悩んでいる方へ
もし今、
「うまくいっていない気がする」
「でも、何が間違っているのか分からない」
そんな状況にいる方がいたら。
どうか、自分を責めすぎないでください。
多頭飼いは、経験値がそのまま答えになる世界ではありません。
猫が違えば、正解も変わります。
一度距離を取り直すことは、失敗ではありません。
それは、猫を大切にしているからこその選択です。
この記録が、
どこかで誰かの判断を、少しだけ楽にできたなら。
それで十分だと思っています。
今回の記事は、 四ニャン坊たかんぼ、五ニャン娘みゃあを迎えた際に 書き続けてきた実体験を、 今の視点で振り返ったものです。
当時の迷いや失敗、先住猫たちの反応など、 よりリアルな記録は、 以下のカテゴリに時系列でまとめています。