数日前の記事
にて触れていました、破歯細胞性吸収病巣についてです。
猫が食べたり飲んだりするときに痛がったいる素振りがある時には、歯に、【破歯細胞性吸収病巣】がある可能性があります。
破歯細胞性吸収病巣とは
どんな病気?
破歯細胞性吸収病巣とは、猫の歯が溶けていく病気です。ある統計によれば、
・純血種猫の約80%
・雑種猫の約40%
がこの病気にかかっているといわれるほど、多くの猫に見られます。ただ、口を開けられるのを嫌がる猫が多く、なかなかご自宅で口の中をチェックすることが難しいです。さらに、病巣が歯石などで隠れてしまうと、一見分からないこともあります。そのため、麻酔下で歯石除去を行ったときに初めて見つかることも少なくありません。
原因
この病気は歯を溶かす細胞(破歯細胞)が異常増殖することで発症します。通常、破歯細胞は乳歯から永久歯への生え替わりの期間だけ、乳歯を溶かす(吸収する)ために活動します。ところが、どこでどう間違ったか、ある時、破歯細胞が永久歯に対しても活動を開始すると、歯を溶かしていってしまうのです。本来は永久歯に作用しないはずの破歯細胞が異常な活動を始めるのかは、残念ながら、まだはっきりと分かっていません。
罹患する原因がはっきりわからないのに、純血種猫の約80%、雑種猫の約40%がこの病気にかかってしまうってこと??
そうね。我が家の猫氏は、歯磨きの習慣をつけることが出来なかったし、口の中を見ることが出来ず、気付くのが遅れてしまったね。ただ、今回の三ニャン坊さんたのおかげで、他の猫氏の口の中を定期的に強引にでも見る意思決定が出来たね!!
症状
この病気は進行性であり、年齢とともに病巣のある歯が増えていくことが多いです。その増え方には個体差があり、かなり高齢猫になっても1本も破歯細胞性吸収病巣がなく丈夫な歯を保つ猫もいれば、若くして殆どの歯が破歯細胞性吸収病巣でぼろぼろになってしまうこともあります。破歯細胞性吸収病巣は歯を溶かしていくのですが、歯の表面のエナメル質には神経がないため、ダメージがエナメル質だけですと、痛みを感じないため症状もありません。しかし歯の中心には神経と血管が存在するため、破壊が中心部の歯髄まで及ぶと、痛みや出血を引き起こします。
治療
この病気の発症や進行を止める方法は見つかっていません。原則は徐々に進行していきます。ただ、フッ素剤の貼付、インターフェロンや抗生物質の投与、デンタルジェルなどを用いた口腔内衛生によって進行を遅らせることが出来るかもしれません。痛みが激しいときには破歯細胞性吸収病巣のある歯を抜歯するのが一番です。問題の歯が無くなれば、痛みもなくなり、非常に楽になります。また猫は裂肉歯といって人間の奥歯のように咀嚼する歯ではないため、もともとあまり咬まずに丸のみします。そのため歯が少なくなっても、食事に影響は少ないです。
予防
破歯細胞性吸収病巣は、その発症原因が不明のため、確実な予防法はありません。ただし、歯周病でがあれば、発症しても発見が遅れるだけでなく、症状が悪化して、猫の痛み、苦しみも大きくなるでしょう。子猫の時から歯ブラシなどでの歯磨きを習慣化して日頃から口腔内衛生に努めるのは、破歯細胞性吸収病巣のことだけでなく、歯を長持ちさせるために重要です。
纏め
今回は、破歯細胞性吸収病巣について記事にしました。
今思い返してみると、ですが、三ニャン坊さんたは、ナデナデをしてあげる時、グルグル、グルグル言い始めて、そのうち、あごの下をナデナデしていると、ヨダレが垂れてくる、という事が多かったように思います。ヨダレが出てくる位、気持ち良いのかってその時は思っていましたが、もしかしたら、このヨダレが出てくる事が、破歯細胞性吸収病巣が進行していた兆候だったのかもしれません。
純血猫の約80%
雑種猫の約40%
が、この破歯細胞性吸収病巣に罹患してしまいます。我が家では歯磨きの習慣を作ることができなかったですが、猫と生活をともにされている方は、猫氏が小さい時から歯磨きの習慣をつけ、口を開けることに慣れさせることをオススメします。
ご参考
我が家での猫のはみがきについては別の記事に纏めていますので、そちらも合わせてご覧ください。